スポーツコンディショニングの理論・論拠
アイシングorホットパック Microcurrent 整復
超音波治療 ストレッチ
アイシングorホットパック
大概、中高生が当院に来られる際には練習直前・直後が多く、社会人は仕事帰りの場合が多いわけです。
練習直後では筋組織中の結構は確保されてますが、負荷による筋繊維損傷は存在するわけで、繊維損傷と言うことは若干ながら内出血も伴うわけです。
アイシングによってその極小の内出血を遮断し、筋繊維の破断を最小に抑えることを第一の目的とします。
第二に、液体は冷やすと膨張率が下がって密度が上がります。
血液も何ら変わりはなく、冷やすことによって密度が上がるわけで、密度上昇による単位容積辺りのヘモグロビン量も上がるわけです。そうなると組織への酸素供給が通常より低流量で確保出来ることから組織回復時には向いているということです。

社会人の場合、特にデスクワークの方になると筋組織がほぼ稼働してない状況下であることから傍流毛細血管などに血液が流入してない形になってます。
組織損傷が無いわけですから、ホットパックによる湿性加温によって毛細血管を開けて血行促進を目指します。
Microcurrent
微弱電流って言われるものです。
筋組織が損傷していたり、筋緊張が高度である場合、低周波やHi-Voltageなどの他動性があるものを使用すると組織損傷を起こす可能性が否定出来ません。
特に炎症期に関しては炎症部分の稼働という消炎処置と逆の作用が存在する形になります。

そこでMicrocurrentを使うというのは筋組織以下の為になります。
Microcurrentは基本的に電子を皮膚抵抗の影響を出来るだけ排除して通すというもので、その電子が骨格筋内では電子伝達系の基本部分になります。
生体エネルギーとしてのATP(アデノシン三リン酸)を有酸素的に生成しようとするとこの生体回路を動かさないとダメなわけです。
その基本骨格となる電子数を大幅に増加させるために使用するのがMicrocurrentだということです。
整復
いくら骨格筋を緩めるのは簡単だといっても、筋の走行が歪なら緩む骨格筋も緩みません。
当院では筋の走行を正確にするため整復を用います。
「整復」は日本の免許制度上、医師と柔道整復師しか出来ません。
「矯正」が出来るのも免許制度上、指圧師のみであったりします。

無資格施術者が横行しているため、詳細は書きません
超音波治療
超音波治療器による施術です。
マッサージと同じ機序なんですが、振幅が感知出来ないほど微細で速いため、硬直化した筋組織に対して非常に有効な手段になります。
マッサージ的技法、例えば軽擦法でさえ振幅が大きいため筋組織の破壊は起こり得るわけで、張りが強い骨格筋に対しては強圧は絶対的な禁忌になります。
強直化した骨格筋を揉み解す=強直化した筋繊維を離断すると置き換えても問題は無いです。
筋繊維を切って柔軟性を上げている。つまり肉料理の前処理で肉を叩くのと同じです。
これでは稼働可能になるまでに最低48時間、修復完了するまで最低72時間は掛かるわけで、コンディショニングと呼ぶのにふさわしいかといえば言えないとしか言えない。
更に、他動的に破断させた筋組織の修復は筋繊維が再構築されるわけではなく肉芽組織に置き換わって硬化して骨格筋のパフォーマンスは落ちます
但し、骨格筋の弛緩は必要であり、それはあくまで筋繊維を保護しながらである必要があります。
他の手技に比較して超音波の優位点は・・・
  • 振幅が小さいため筋繊維単位の破断が起きにくい
  • 深達距離が1MHz実行域で6cmあるため、深部の直接施術が容易である
  • 深部筋に到達させるために、それを覆う表層筋の処理はしなくていいし、ただ単なる伝導物質として考えても差し支えない。
と、いう利点があるわけです。
更にと併用することにより
  • 超音波照射時の動脈血流量が増加
  • 超音波照射時の組織中酸素消費量の向上
  • チトクロームCの増加
が実験データから読み取れるわけで、動脈血流量を上げることにより組織への酸素、及び栄養補給を容易にし、組織改善のしやすい環境を整備して、増加した組織中酸素量を用い、組織内の疲労物質である乳酸を酸化分解しアセチルCoAに変換した後、TCAサイクルから電子伝達系へ向かわせ、組織回復を助長します。
電子伝達系の本数が増えている証拠がチトクロームCの増加になります。

上のMicrocurrentでも書きましたが、Microcurrentは電子伝達系の骨格部分になる電子供給用の電子を、超音波+ではその産生用物質であるNADH、及びFADH2を過剰供給するという形になってます。
つまり、ATPの過剰酸性状態を作り出し、時系列によって組織修復かリフレッシュか変化しますが筋組織のパフォーマンスが向上するわけです。
ストレッチ
当院ではここまで来るとほぼ必要性がないのですが、肩関節の場合はストレッチがあります。
肩胛骨の裏には超音波照射が難しいためです。
ストレッチも筋の走行が解ってない、骨格筋の緊張度に呼応する力価が解ってない限りは危険な手法になりますのでご注意下さい。